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ReHabaseのコンテンツは、整形外科医と理学療法士が協働し、エビデンスや臨床経験をもとに制作・レビューしています。
さらに、学術活動が活発で豊富な臨床実績を持つ医療機関にもご協力いただき、
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【協力病院】

  • 社会医療法人社団 慶友整形外科病院・クリニック
  • 医療法人社団おると会 浜脇整形外科グループ
  • 医療法人博仁会 福岡リハビリテーション病院・
    福岡リハ整形外科クリニック
  • 医療法人尽心会 百武整形外科病院・スポーツクリニック

【監修・執筆】

宮本梓

慶友整形外科病院 医療本部長(CMO)補佐

日本肩の運動機能研究会 世話人

専門領域:肩関節・肘関節

井上彰

慶友整形外科病院 リハビリテーション科

専門領域:肩関節・肘関節・エコー

葉清規

浜脇整形外科グループ リハビリテーション科

専門領域:脊椎

松田陽子

浜脇整形外科グループ リハビリテーション科

専門領域:脊椎・ウイメンズヘルス

平川善之

福岡リハビリテーション病院 医療統括部長

日本ペインリハビリテーション学会 理事

日本 Osteotomy 学会 リハビリ委員

畿央大学 客員教授

専門領域:膝関節・疼痛

溝田丈士

体表解剖学研究会 理事

足の構造と機能研究会 理事

専門領域:足関節

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病態:椎間板のバイオメカニクス

病態:椎間板のバイオメカニクス

本項では,椎間板のバイオメカニクスについて解説する.

・椎間板は髄核の膨張圧と線維輪の張力で安定性を保ち,変性によってこの力学的バランスが崩れる.

・椎間板変性によりNPの内圧維持機能が低下し,AFに剪断応力が集中して損傷しやすくなる.L4/L5・L5/S1は可動性が大きく,屈曲や回旋で特に負荷が集中しやすいため腰椎椎間板ヘルニア(Lumber Disc Herniation:以下,LDH)の好発部位となる.

・正常な椎間板では,体幹伸展でNPは前方偏位するが,変性椎間板では体幹伸展で後方膨隆が生じ,力学的応答が不安定になる場合がある.

・近年の研究では,正常な椎間板では座位で椎間板内圧が高くなるが,椎間板変性により姿勢間によるIDPの差は縮小すると示されている.いずれにしても長時間の同一姿勢を回避することが臨床上重要である. 

椎間板のバイオメカニクス

正常な椎間板は,圧縮負荷に対して髄核(nucleus pulposus:以下,NP)が水分を保持し,内部圧を高めることで線維輪(annulus fibrosus:以下,AF)に張力が伝わるという「水圧―張力バランス」機構によって安定性を維持している1,2)(図1).

しかし,椎間板変性が進行するとNPの含水率が低下し,内部圧が減弱するため,結果としてAFが荷重を一手に引き受けるようになり,剪断応力の集中が起こる.これによりAFにおける亀裂形成や層間分離(delamination)が誘発されやすくなる2).

椎間板は立位や座位,歩行,荷物の持ち上げ動作など,日常の多様な活動中に複合的な力学的負荷(圧縮,屈曲,回旋,剪断)を受ける.これらの複合ストレスがAFへ繰り返し加わることで,微小断裂や力学的損傷が進行し,やがてLDHの一因となる2,3).

LDHの好発部位とされるL4/L5およびL5/S1の椎間は,屈曲や回旋といった動作において他の椎間よりも大きな可動性を示すことが報告されており4,5),この動的特性が下位腰椎部におけるヘルニア好発の一因と考えられている.特に,前傾姿勢や体幹回旋を頻繁に伴う職業(例:介護,建設,運送など)や,スポーツ活動(例:体操,野球,レスリング)に従事する個人では,これらの椎間に過度なメカニカルストレスが蓄積され,LDHの発生リスクが増加する可能性がある4,5).

変形性膝関節症の病態:半月板

変形性膝関節症の病態:半月板

本稿では、変形性膝関節症の病態として半月板病変を紹介した。

・半月板はそもそもhoop機能を等により関節の安定性や荷重分散といった役割を有する。

・半月板後根断裂(medial meniscus posterior root tear:MMPRT)は加齢による変性や外傷により生じ急激な痛みと共に症状の進行に影響する。

・内側半月板逸脱(medial meniscal extrusion: MME)は内側半月板が関節外へ逸脱する状態であり、近年超音波画像で評価できる。

半月板の基礎 ~機能と役割~ 

膝関節の半月板は、内側半月板(medial meniscus)と外側半月板(lateral meniscus)から構成され、膝関節の安定性、Hoop機能による荷重分散と衝撃吸収、関節の潤滑、栄養供給、関節の適合性向上など、多くの機能を担い、膝関節の健康と正常な動作が維持される。また、半月板には外側1/3の領域のみに血流が認められることから、その損傷領域および損傷形態により切除もしくは縫合術が選択される。(図1)

半月板後根断裂(medial meniscus posterior root tear:MMPRT)

前述したMMEに至る要因として、下肢アライメントの異常と共に、半月板損傷がその根底にある。その中で近年多く議論されている損傷として半月板後根断裂(medial meniscus posterior root tear:MMPRT)を紹介したい。MMPRTは、Kanら2)の調査では548例の死体膝において9.3%が有しその多くは軟骨損傷を併発していたことを報告し、またHwangら3)は、有症状の膝476例の30.3%に関節鏡でMMPRTを認めたとし、胡坐やしゃがみ動作が危険因子として報告している。つまり比較的多くに有する病態といえる。MMPRTは加齢による変性と外傷により生じるとされ、外傷においては階段昇降や歩行中にパキッなどの圧轢音とともに膝関節内側部に急激な痛みを訴えるが、多くは数日~2週間ほどで改善することが多い。

内側半月板の後根部は半月板実質と脛骨をつなげる部位であり、その損傷はMMEを含めた内側半月板の不安定性と共に、荷重領域を狭小化させることから関節面の局所圧を上昇させることになる4)。MMPRTは脛骨上で半月板が骨に付着する部位もしくはその1㎝以内での断裂と定義されている4)。

治療は、膝OA変化が中等度(KL2以下)で関節軟骨が温存されている場合は脛骨骨孔を介した経脛骨pullout修復術が選択される。Okazakiら5)はMMPRT後に経脛骨pullout修復術を受けた患者15名を対象に、術前後で膝屈曲10°および90°での下腿回旋角度を計測し、術後脛骨が正常と同様な内旋角度に改善されていたことを示し、MM後根の不連続性が膝屈曲時の病的な外旋を生じさせている可能性を示唆している。MMPRT成因動作として階段を降りる時やしゃがみ込みなどの深屈曲時に多いとされており6)(図2)、その際の下腿内外旋がMMPRTに関与している可能性があり、これは理学療法介入を考える際に参考とすべきであろう。

足関節果部骨折の治療成績と予後不良因子

足関節果部骨折の治療成績と予後不良因子

本稿では,足関節果部骨折後の治療成績(経過)と予後不良因子について解説する.

・足関節果部骨折症例では,受傷・手術直後から3カ月,3か月から6か月の間で大きく機能スケールが改善し,その後の緩やかな経過を辿る.平均5年経過後でも約20%の症例で成績が不良であることが報告されている.

・予後不良の因子として,性別,喫煙,アルコール,BMI,糖尿病,高血圧,メタボリックシンドローム,術後の合併症,再手術,他部位の外傷歴などが挙げられる.

・疼痛に関しては,術後3カ月以上の疼痛を認めることや術後5年後も残存しているケースが多く存在する.術後の神経障害性疼痛も約20%の症例に認められる.

果部骨折の治療成績

Beckenkampら1)の報告では,足関節果部骨折後の機能回復が以下のような経過をたどることが示されている(図1).

・術後1か月:平均スコア31.9(95%CI: 18.8–45.1)で高度の活動制限を認める.

・術後6か月:平均スコア78.3(95%CI: 70.1–85.6)まで回復する.

・術後24か月:平均スコア86.6(95%CI: 78.2–95.0)で安定するが,完全な機能回復には至らない症例も存在し,高齢者において活動制限が長期化する傾向がある1).

手術群と非手術群では,18カ月の段階では非手術群がアウトカムの点数は高値を示すものの有意差は認めらなかった1).24カ月時点では,いずれも活動制限は残存していたことが報告されている¹⁾.Stufkensら2)による平均5年追跡された報告では,適切な整復・固定後の症例であっても,20.7%が経過不良であったことを示されている.

肩関節の基本操作【前方操作】

肩関節の基本操作【前方操作】

上腕骨の結節間溝(bicipital groove)

上腕骨の近位部に位置し,大結節と小結節の間に存在する縦方向の溝である.この溝は,上腕二頭筋長頭腱(long head of the biceps tendon)が通過する重要な構造であり,腱が滑らかに動くための通路となっている.結節間溝の長さは,81.0から87.3 mm,幅は7.7 mmから11.6 mm1),深さは平均4.1mm,角度は101から120度の間2)とされている.エコーでの描出肢位は,結節間溝が正面を向く肢位である肩関節軽度外旋位とする.

描出のポイント

結節は近位方向に向かって反り立っているため,表面上でプローブを垂直に操作しても骨に対して垂直な画像を描出することができない.反り立った結節の形状をイメージしながら,プローブを少し傾けることで,適切に描出することができる(図1 右).

上腕二頭筋長頭腱

肩関節の安定性に寄与する構造で,肩甲骨の関節上結節(supraglenoid tubercle)から始まり,上腕骨の結節間溝を通り,上腕筋膜や橈骨粗面に付着している.この腱は肩関節の安定性に寄与するとともに,屈曲や外旋,外転において重要な役割を果たしている3-5).描出肢位は,結節間溝の描出と同様に肩関節軽度外旋位とする.

描出のポイント

まずは,短軸操作で結節間溝内に位置する上腕二頭筋長頭腱を描出する.結節間溝描出時と同様に,プローブを斜め上方へ傾斜させると良い.結節間溝及び上腕二頭筋長頭腱に対して垂直にプローブが当たっていない場合,結節間溝内が描出されず,あたかも断裂像と勘違いしてしまう.短軸操作にてしっかりと上腕二頭筋長頭腱が描出されたのを確認した後(図2 上段),プローブのピボット操作し長軸像を描出する(図2. 下段).

結節間溝内における前上腕回旋動脈

前上腕回旋動脈(anterior circumflex humeral artery, ACHA)は,上腕骨頭の血流供給において重要な役割を果たしており,約35.7%の血流を担い,残りは後上腕回旋動脈から供給される6).ACHAは腋窩動脈の第3部(3rd part)より分岐し,上腕骨の外科頸に沿って前方から後方へ走行する.上腕骨頭への進入点は,大結節上方部から遠位へ10.0mm,大結節内側から3.4mmに位置する7).近年,エコーを用いた ACHA の血流速度の測定が注目されており,その結果と肩関節の組織学的炎症スコアとの相関が報告されている8).さらに,ACHAの血流動態と肩関節痛との関連についても検討が進められており,エコーによる血流速度評価が臨床的に有用である可能性が示唆されている9, 10).

腱板および腱板断裂のバイオメカニクス

腱板および腱板断裂のバイオメカニクス

本稿では,腱板と腱板断裂に伴うバイオメカニクスを解説します.

・棘上筋は安定化に寄与する.・棘下筋は挙上能を有し,その機能は非常に重要である.

・肩甲下筋はバットレス効果を有し,前方安定性に寄与する(本稿で解説していない).

・腱板断裂は上腕骨頭の上方化を引き起こすが,棘上筋単独断裂では生じないとする報告が多い.

・肩甲上腕関節の陰圧も安定性に寄与する.

・腱板の修復によって運動学は改善するが健常肩までの回復は現段階では見込めない.

腱板のモーメントアーム

腱板の機能を考える場合にモーメントアームは長いほど作用できると解釈することができる.下垂位における腱板筋のモーメントアームは,棘下筋上部は外旋により延長(=外旋位において内旋筋となる),上部から中部と中部から下部はほとんど変化なし,小円筋は内旋により延長(=内旋すればするほど外旋に作用しやすい)する1).挙上に伴う変化では棘上筋は下垂位が最大であり挙上にともなって短縮し,棘下筋は挙上を通して一貫して大きな変化はせず,肩甲下筋は挙上80°程度まで短縮するがその後は延長することが報告2)されており(図1),腱板断裂肩において棘下筋まで断裂すると挙上不能となることを裏付けていると考えることができる.

筋電図学的知見

肩関節の運動学を考える上で腱板筋の収縮順を理解することが重要であり,トルクマシーンを用いた研究において,腱板筋は動作開始の0.092〜0.215秒前に活動し,三角筋と大胸筋の筋活動より早かったと報告3)されており.出力モーメントと腱板筋の相関関係は棘下筋と肩甲下筋には認めたが,棘上筋には認めなかったとしている3).外転において検討した報告では棘上筋は動作開始前(0.102秒)に収縮していたことを報告している4)(図2).腱板筋は安定化のために動作に先行して収縮する機能を有しているが,棘上筋は実質的な作動筋としての機能は少なく,安定化のために重要と考えることができる.

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